ナビシートは誰の為?

「にーちゃーん、事務所の前に止めてある車、誰の車?」
ああ、あれか?今度の企画のプレゼンの為に借りてきたんだ。
イメージビデオを選考して作ろ…って、おまえら、触るな。ミラーを思いっきり
捻るな、捥げてしまうじゃないかぁ
「えー、この位で壊れるのぉ?」
「ねぇねぇ、亜美。このボタンがスイッチかなぁ?」
こらー、勝手にエンジンかけるな…って、とても高い車なんだぞ。
「じゃ、にーちゃん、これでドライブしようよ」
ドライブって言っても、これ2人乗りだから、お前ら二人は乗れないだろう。
「えー、だったら真美が運転するよ」
免許も無い人間が運転できるわけ無いじゃないか。
「じゃ、今度ドライブできる車持ってきてよ」
そんな車が借りれる仕事が入ればな…
「わーい、そんな仕事速く取ってきてよね」
ああ、ドライブには連れて行ってやる。でも、運転はさせないぞ。
「ちぇー」