また…ですか?

「また、アレでいいんですか?」
ん?レギュレーション的には引っかかってないだろう。
「それはそうですけど…」
むしろ、趣旨に賛同する意味では、こういう手法も…ってのを見せるのも一つの手段さ。
「だからといっても…前回だって…」
そりゃ、確かにクリエイターとしては…ちょっと問題があるけどな。
でもな…
「でも?」
俺たちは演者だ。いろんな表現手法とか、演出手法で見てもらう事が、俺たちの仕事。
何度も同じような内容で笑いを取る"天丼"って手法も、お笑いの世界では確立してる。
「確かに、そういう手法、演出はあるわね。"お約束"みたいな感じで」
俺のプロデュース手法の一つの作風として、これはこれでありにしておきたいんだよ。
俺らしさを表に出すためにな。
ま、これをやりすぎると、すぐに飽きられるから、見切る加減を極める訓練も必要だ。
「それもそうね。それも兼ねてやっておくべきだったと思えばいいか。」
それはそうと、腹減ったなぁ…もうこんな時間か…
「私もおなか減りましたし、ついでだから私が何か弁当でも買ってきますよ。」
(ジーっと律子の髪形を見て…)
じゃ、律子さぁ。天丼、ご飯大盛りで頼むわ。